当たって砕けろ!看護師資格を活かせる仕事にキャリアチェンジ
手に職をつけたくて
私は九州北部で生まれ育ち、中学時代は真面目に勉強して地域で一番の高校に入りました。笑
そこで息が切れたのか、なぜか高校に入ってからはそんなに勉強に熱が入らなくなって・・・高校では学年でも“並”の生徒になっていました。
ごく普通の高校生として生活する中、世の中は就職氷河期で、テレビでは経営破綻やリストラなんていうワードが聞こえていて・・・私も将来は手に職をつけて安定した職業に就きたいと考えるようになりました。学内にも同じような考え方の子が複数いたので、特に違和感を持つこともなく近場の医科大学の看護科に進学しました。
早くに訪れたギャップ
看護学校に入った第一印象は、“宗教みたい”でした。苦笑
一般教養や専門教育は普通に理解できたのですが、看護学の“奉仕の精神を持ってひたすら寄り添う”という考え方に、頭では理解はしつつも一種の怖さのようなものを感じてしまったことを覚えています。もう一つの印象は、“医学部との格差”。入学してしばらくしてから開催されたサークル説明会で「私たちのサークルには、他と違って看護科の方も入ることができますよ」ってアピールされたとき、「医学部の人って高校の時は横の席で一緒に勉強していた人達なのに、学部が違うだけでこんなに扱いが変わるの?」と違和感を覚えました。かといってまた一から勉強して入り直そうとまでは思いませんでしたが・・・。
就職はそのまま大学の病院へと進み、外科系の病棟に配属されました。
病院での仕事とキャリアチェンジ
その病棟に入院している患者さんは常時40名程度で、環境整備や患者さんの入浴介助、手術前後の患者さんの担当、また稀にですが急変時の対応も行いました。外科系の割には比較的残業の少ない病棟で、イメージ的には8:2で肉体労働、あとは委員会の参加等に充てていたように記憶しています。それから2 年ほど経って仕事に慣れた頃、ICU へと異動になりました。
ICUにいる看護師は、皆さん他の科の看護師以上に意識が高くて学びも多くとても魅力的だったのですが、中にはメンタルダウンで休職している方がいたり、夜勤前に仮眠もとれずにそのまま出勤したりして、ふとした時にいつまでこの環境で働き続けるのかと考えるようになってしまい、だんだん看護師であることに魅力を感じなくなっていきました。
看護師資格を活かせる仕事
そこから一度、業界から離れて宅建の資格を取得したりしていたのですが、ある日、人材会社の方にSMO の会社を紹介されて初めてCRC という職種の存在を知りました。紹介していただいた会社は、医療法人が立ち上げたSMOということもあって、看護師の延⾧線上で働けるイメージが持ちやすかったことや未経験からでも成⾧できるような教育環境も整っていたので、私は看護師という働き方から新たにCRC として働いていくことにしました。
ライフステージの変化に伴って
CRC としての活動が3 年を過ぎたころ、プライベートに変化があって当時お付き合いしていた方の転勤に合わせて一緒に上京することになりました。その際、同じ会社の中で転勤をしてそのまま仕事を続けることもできたのですが、その先のことも考えて、このタイミングで外勤の業務から内勤の業務に変えたいと思い、少し前から興味を持っていたCRA の仕事にキャリアをチェレンジしたいと考えて、当時、看護師資格と経験があればCRA が未経験でも可として募集していた小さなCRO に就職しました。入社後は循環器系の案件を担当させていただいて、CRA の基本も学べましたし看護師時代のICU の経験も活用できたのでとても良かったのですが、何より労働環境が良くなくて・・・苦笑
ここではあまり触れませんが、CRAは続けたいもののもう少し規模が大きくて安心感のあるCRO で働きたいと思うようになりました。
いよいよ結婚するかなーというタイミングになったころ、折よく大手のCRO に採用いただくことができました。そこでは臨床研究のCRA として2 年ほど経験を積んだ後、現在は主にClinical Leader の業務に従事しています。非常に多くのプロジェクトが走っているのでとれも勉強になりますし労働環境的にも安定できて、ようやく腰を据えて長く働ける場所を得られたと感じています。
これからの広がり
これは個人的な見解ですが、コロナ禍になったこともきっかけの一つとして今後のCRA やCRC の業務領域は大きく変化していくだろうと感じています。そうすると、CRC とCRA の両方を経験している私はよりプロアクティブに活動できると思いますし、先を考えるとCRA 以外の仕事にも積極的にチャレンジしていきたいと考えています。
私自身、これから様々なライフステージの変化もあると思いますし、一つのことに固執するのではなく看護師資格を活かせる現在の職場に感謝しつつ今後も頑張っていきたいと思います。
CRA(臨床開発モニター)の仕事とは?
CRAとは、Clinical Research Associateの略称で、「臨床開発モニター」や「モニター」とも呼ばれています。
主には、治験(医薬品の臨床開発)が医療機関において治験実施計画書に基づいて正しく行われているかをチェック(モニタリング)する仕事です。有効性と安全性を確かめた上で医薬品を上市するため、医療機関と企業との架け橋となって業務を推進することが求められます。