看護師というプロへの憧れと現実。転職で世界が180度変わった!
流行りのドラマに憧れて…
私は北陸地方の出身で、小学生の頃に流行ったテレビドラマ “ナースのお仕事” を見て、楽しそうに働いている看護師の姿に興味を持ちました。私自身、子供の頃に目の病気で毎月総合病院に通院していたということもあり、病院自体を身近に感じていたのかもしれません。
その後中学の職場体験で看護師を体験したことで、漠然と自分の道はここかもしれないと考えるようになってはいたのですが、高校は将来の選択肢を狭めてしまわないように普通科を選択しました。高校卒業が近づいてきて改めて進路を考えるタイミングになった時、大学に進学することも考えて勉強していましたが、センター試験で思うような結果が出せなかったことを受け、看護専門学校に進学することに決めました。ここで看護師への道が確定したんです。笑
想像以上のボリュームに追われた学生時代
看護専門学校は、即戦力を育てることを目的としたカリキュラムになっていて、1,2年目は、平日は朝から夕方までみっちり授業があって、とにかく知識や技術を詰め込まれる毎日でした。学校には「遊ばせないぞ」という雰囲気が漂っていましたね。笑
3 年になるとひたすら実習という感じで、日々、実習が終わると今では考えられないくらいの山のような量のレポートを書かされていました。ただ、それまであまり勉強が好きなタイプではありませんでしたが、専門的な知識を得て、実習で色んな体験ができたことは、今振り返るととても充実していて楽しい時間だったと思います。
プロへの憧れと現実
就職活動の際、今では考えられませんが、当時付属の病院以外に就職するにはその理由を説明しなければならなかったので、それ自体を面倒に感じてしまいそのまま附属の総合病院に就職しました。配属先は希望した循環器科と心臓血管外科の混合病棟になりました。実は、この配属先は実習中に悔しい思いをした場所だったんです・・・。そこは、心臓カテーテルを1 日に10 件ぐらい行っている病棟で、実習では急性期における一人の患者さんを入院から退院まで3 週間ほど受け持つというものでした。この実習では患者さんの症状の観察・疾患の全体像を把握し、必要な看護は何かを考えて実践するのですが、自分なりにかなり真剣に考え抜いた上で作成した計画を、当時の実習担当の看護師の方に「これだけ?」と言われてしまったんです。その時はとても悔しい思いをしましたが、その後、その先輩看護師の指導も的確で患者さんにもとても信頼されている姿を見たことで、私の中に初めて憧れのようなものが生まれて・・・この病棟で一人前の看護師になりたいと思いました。初めて主体的に学びたいと思ったんです。笑
いざ就職してみると、実際のところはその病棟の看護師全員が優秀な訳ではないことが分かりました。笑 尊敬できる先輩は数人いたものの、女性の職場特有の雰囲気あって新人だけに向けた厳しい指導が行われていたりもしました。体力的にも厳しかったですが、この頃に支えになったのは、同じ病棟に配属になった専門学校時代からの同期の存在でした。学生時代はプライベートもずっと一緒にいるほど仲が良かったわけではなかったのですが、共に苦境を乗り越えたことで結束力が高まりましたね。笑
公私で次のステージへ
日々忙しく働く中、看護研究を実施したことや循環器科の医師との会話の中で先々自分がどのようなキャリアを積んでいけばいいかを悩むようになりました。臨床現場の看護師だけでなく、認定看護師や災害ナースについても調べましたがなかなか興味が持てなくて・・・そんな時、当時働いていた病棟で治験を実施することになり、採血や血圧測定など治験に関わる機会をいただきました。その時に関わった治験薬が承認されて売り出された話や、治験薬を使用中の患者さんの症状が劇的に改善しているのでは?と臨床現場に未熟な自分でも感じることもあり、もっと勉強してみたいと思うようになりました。就職してから間もなく5 年を迎えるころの話です。
転職は人材会社を利用しました。活動する中で、CRA などほかの職種も考えてはみましたが、やっぱり患者さんの近くで働きたいという気持ちもあってCRC に絞った結果入社したのが今の会社です。
新たな挑戦
CRC の仕事が始まると、看護師の頃とは世界が180 度変わったような気持ちになりました。何より、一緒に働く方たちが優しくて・・・最初は何か裏があるのかと疑ってしまったほどでしたね。笑 あとは、コストも意識しながら計画を立てたり、文章を作成したり。病院では意識したことも無かった部分だったので、気持ち的に疲れることもありました。ただ、最初に2 名体制で対応するプロジェクトに参加させていただき、先輩を追いかけているうちに少しずつ成⾧していくことを実感できたことでここまで続けることができました。
現在2 人の子供がいるため、一人目の時は育児休業した後に時短制度を活用したのですが、二人目の時はフルタイムで復職しました。今後、中⾧期的にどのような道に進むかについては迷っている部分もありますが、現場を離れたくない気持ちが強いので、しばらくは “ここだけは任せて!” と言えるような領域や分野を作っていきたいと思います。
CRC(治験コーディネーター)の仕事とは?
CRCとは、Clinical Research Coordinatorの略称で、「治験コーディネーター」と呼ばれています。医療機関の中で治験責任医師の指導・監督のもと、専門的立場から治験責任(分担)医師の業務に協力する仕事です。被験者と直接接触し、治験内容の説明や不安、心的負担を軽減するための相談相手としてケアやサポートも行います。