知識と経験を活かして進む、ライフステージにあせて2回のキャリアチェンジ
はじめは何となく
私は九州北部で生まれ育ち、現在は育児をしながらテレワークでDI(ドラッグインフォメーション)の業務を担当しています。高校に通っていた頃、私には将来の夢というものがありませんでした。普通科の高校に通い、部活ではバレー部に所属しながら、特に際立って目立つようなこともなく普通の高校生活を送っていたと思います。ある日、学校で進路選択の面談があり、その際に担任の先生から看護師の仕事を進められたのですが、それをきっかけに看護師という仕事に興味を持つようになりました。私のどこを見て看護師を勧めてきたのかは分かりませんが、昔からそれなりに愛想があって外面(そとづら)は良かったので、その辺りを見ていたのかもしれません。笑
病院勤務の日々
大学は地元の国立大学の医学部看護学科に入学しました。結局担任の影響をもろに受けた感じですね。笑大学生活は、座学も苦労しましたが、それ以上に実習が大変で…苦笑 先輩の看護師さんが厳しくて、日によっては取り付く暇もないぐらいの感じでした。実習を終えて家に帰り、そこから持ち帰った課題に取り組み始めるのですが、いつもいつの間にか寝落ちして…ハッと目が覚めて慌てて準備して家を出る。そんな日々を繰り返していましたね。就職は、そのまま付属の病院に入職しました。人事のおじさんがとてもラフな方だったことだけ記憶しています。笑 私は昔から子供が好きだったので、小児科を希望したところ無事に小児科病棟に配属されました。いざ働き始めてみると、もちろん子供は可愛いのですが、重い障害を抱えている方がいたり、⾧く入院してせっかく退院してもまたすぐ戻ってこなければならない状況になってしまったりする方がいたりして、あと看護の対象は小児ですが保護者のケアも必要だったので、気が抜けるようなことはありませんでしたね。仕事のやりがいは感じられるのですが、必ずしも治癒するわけではないという現実や子供の辛そうな顔を見るのはとても苦しかったです。そうして少しずつではありますが、自身のメンタルケアの必要性を感じるようになっていきました。その後、外科病棟に異動になったのですが、今思えばその頃には転職も視野に入っていたかもしれません。外科に異動してからしばらくして私は転職をすることにしました。
一つ目のキャリアチェンジ
転職活動の際、一度臨床現場からは離れたいと考えていたので、企業看護師や病児保育の仕事を見ていましたが、友人がCRC の仕事をしていて仕事のイメージもし易かったのでCRC として働くことにしました。それが今の会社です。私は4 月に入社したので、多くの新卒や中途の方と一緒に研修を受けました。同期がたくさんいたので精神的な安心感はありましたが、座学はこれまでの知識だけでは全く足りず想像以上に苦しかったです。CRC は治験責任医師の指示の元で活動する言わば影武者的な印象を持っています。忙しい仕事ではありますが、いつ何が起こるか分からないプレッシャーからはある程度解放されたと感じました。その後、CRC として8 年ちょっと活動しました。
二つ目のキャリアチェンジとこれから
CRC として活動している中で、ライフステージに変化があり、結婚と出産を経験しました。そして、育休を経て復職するタイミングで行きついたのがコールセンター(DI)の仕事です。私はメディカルコールセンターのグループに在籍していますが、そこでは、主に医療機関の医師や薬局の薬剤師からくる問い合わせ対してお薬の情報を提供しています。また患者さんからの問い合わせに回答することもあります。その多くは、予め用意されたFAQ の中で対応することができますが、そこに無いものは、添付文書やインタビューフォームを確認するなどして対応します。臨床を経験していることで専門用語や略語の理解があるということは強みになっていると感じています。コロナ禍によりということもありますが、働き方も大きく変化しました。私は現在、在宅勤務で働いています。復職の段階からテレワークで稼働するということで、取り掛かる際は不安もありましたが、研修体制もしっかりしているし関係者皆さんオンラインなので、いつでもツールを使って質問もできます。今後もしかすると夫の仕事の都合などで今の家から離れることもあるかもしれませんが、会社を変えずに続けていくことができると感じています。今後、コールセンターでのキャリア形成を考える意味でも自己学習で薬剤の知識やコミュニケーションの技術についても積極的に高めていきたいと思います。
DI(コールセンター・ドラッグインフォメーション)の仕事とは?
DIとは、Drug Informationの略称で、様々な媒体を通じて公開される医薬品情報を収集・評価・管理しながら、必要に応じて医療機関や医療従事者に対して情報の提供やアドバイスを行う仕事です。常に新しい医療情報が得られることもメリットの一つにあげられます。